カードローンやキャッシングでは申込時の収入や他社借入額、職業などによって利用限度額が設定されています。申込時に比べて収入額がアップした場合に、利用限度額の増額を希望したいというニーズがあるかもしれません。自分で利用限度額の増額を申し出ることができますし、カード会社からその旨の案内が来る場合もあります。どちらの場合であっても増額審査を受ける必要があり、場合によっては審査に落ちることもあります。ここでは増額審査のポイントと注意点について解説します。 収入が上がったタイミングに増額を希望するといい カードローンやキャッシングの利用限度額は、申込時の信用度合いに応じて設定されています。信用度合いが高い人はもともと利用限度額が高く、信用度合いが低い人は利用限度額が低いことになります。 申込時に比べて収入がアップし、それが継続的にキープすることができる場合は、増枠を検討してもいいタイミングです。しかし、自営業者の場合は収入がアップしても翌年に下がるということがあり得ますので、何年間も安定するということが重要になります。 収入が上がたときになぜ増枠を希望するといいのかというと、利用限度額が上がる可能性があるからです。例えば、申込時の収入額が300万円の場合はその1/3の100万円しか貸すことができないわけですが、収入が450万円になった場合は1/3の額であっても150万円まで貸すことができるわけです。つまり、50万円の増額の可能性があります。だからこそ、収入がアップした段階で増額を希望した方が可能性が広がるということです。 自分で増額する場合は審査を受ける必要がある カードローンやキャッシングにおいて増額する方法は、自分からカード会社に連絡して申請する方法とカード会社から案内が来て申請する方法の2パターンがあります。後者の場合は優良顧客をあらかじめピックアップしていますので、基本的には申し込めば審査に通る可能性が圧倒的に高いです。 前者の場合は自らが希望して申し込むことになりますので、増額のために審査を受ける必要があります。審査に伴って収入証明書を提出しないといけないことがあるので、提出の可否についてはカード会社に確認をしてください。給与所得者であれば源泉徴収票や毎月の給与明細書、個人事業主であれば確定申告書や課税証明書のいずれかを提出することになります。 契約をしてすぐに増額審査を申し込むのはNGです。一般的には契約を結んでから1年経ってからということになります。1年以上はしっかりと返済実績を積み重ねることが重要になります。1年経って収入などがアップしたのであれば、カード会社に申し込んでも構いません。 審査では何といっても収入額がポイントになる カードローンやキャッシングの増額審査で何といってもポイントになるのが収入額です。収入が多いということだけではなく、安定しているということが何よりも重視されます。 増額審査において新たにカード会社に伝わる情報はほとんどないです。他社借入額の増減はあるかもしれませんが、これは個人信用情報機関を参照すれば確認できます。申込時よりも他社借入額が減っていればプラスになりますが、それでも審査にプラスに働くことは少ないです。 もう一つ新たにリニューアルされる情報が収入額です。申込時に比べて収入がアップしているのであれば、審査に通る可能性が高くなります。 カード会社が消費者金融などの貸金業者であれば、総量規制に影響されるため、年収の1/3以上を貸し付けてはいけないというルールを守る必要があります。銀行のカードローンは総量規制に影響されませんが、自主規制において年収の1/3までという基準を置くところが多いです。単純に収入が増えれば1/3に該当する額も増えるため、増額が可能になります。 返済実績も増額審査で考慮されるポイントである カードローンやキャッシングでの増額審査で、収入が増えるということだけでなく、返済実績を積むということも重要なファクターになります。きちんと返済を続けているということは、カードローンやキャッシングにおいて重要なことです。返済を遅延なく行えているということは、収入が安定していることの証左になりますので、こういう利用者はカード会社にとって良い利用者ということになります。 増額審査を申し込む直近に返済が遅れたのであれば、半年近くは審査を申し込まないほうがいいです。それ自体が致命傷になるからです。仮に返済が遅れたのであれば、再び起こさない様に返済実績を積み重ねていくしかありません。 カードローンで遅延したという情報は個人信用情報機関に登録される情報になりますので、自社のみならず他社でも参照することができます。別の言い方をすれば、他社で遅延を起こしたのであれば、それが影響して増額審査で落ちるということも十分にあり得ますので、注意をしてください。 増額に失敗した時に何か不利益なことがあるのか 増額審査は申込時の審査に比べるとさほどハードルが高くありませんので、よっぽどのことが無い限り通る可能性は高いことが予想されます。しかし、100%審査に通るのかというとそういう訳ではありません。ただ、審査に落ちたからと言っても、借金を増やすような使い方をしていないのであれば、カードローンやキャッシングが利用できなくなるということは無いですので安心してください。 増額審査において借金を増やす使い方をしていたことがばれた場合には、利用限度額が逆に下げられたり、新たな借り入れができなかったり、利用停止になったり、最悪の場合は契約解除になったりすることがあります。どの程度のペナルティを受けるのかは、カード会社の基準に依ることになります。 利用規約にあるペナルティに該当する使い方に該当する場合は、総量規制に抵触するくらいに借入額や借入件数が多くなるということです。さらに、返済遅延や債務整理などの金融事故に起こした場合も借金を積み重ねた結果になるので、これらのペナルティを受けることになります。 まとめ カードローンやキャッシングで増額を希望するのであれば、カード会社に対して増額審査を申し込む必要があります。収入額や他社借入額、金融事故の有無などを考慮して増額できるのかどうかを決定します。100%審査に通るということは保証できませんが、よっぽどのことが無い限り通る可能性は高いです。そのため、収入がアップしたとか、返済が完了したなどのことがあれば、増額審査を申し込んでみるといいのではないでしょうか。